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| 国民のため、日本ための国家IT戦略を構築し実現します。 |
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  はじめに 1.インフラ重視のe-Japan戦略では国民は何も得られない 2.地域格差は民間に任せていても埋まらない。地方は道路でなく、BBをどうするかの方が問題である 3.心豊かなIT国家 4.ITが及ぼす経済構造の変化 5.IT国家日本を考える |
3.心豊かなIT国家 | |||
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ユビキタスネットワーク社会を語る上で、昨今よく引き合いに出されるのが象印マホウビンのサービス「みまもりホットライン」です。ポットの電源を入れたり給湯ボタンを押すたびに、底に内蔵したPHS信号がインターネットを経由し、ポットの使用状況をWebやメールで確認することが出来ます。設置工事や設定等は無く、普通のポットと同じように使う事が出来ます。わかるのは使用状況だけですが、思いのほか日々の生活の様子が伝わるそうです。遠く故郷にいる一人暮らしの
おじいちゃん、おばあちゃんを都会で暮らす息子夫婦や娘夫婦が見守っているわけです。おじいちゃん、おばあちゃんも「いつも子供たちが気にしてくれている」という見えない安心感を感じるそうです。
おじいちゃん、おばあちゃんと、息子や娘たちは、メールや電話でコミュニケーションをしているわけではありません。しかし、「言葉では無いコミュニケーション」を毎日行っているわけです。このコミュニケーションの方法は工業社会では存在し得ないものでした。情報化社会のインフラが整備されてはじめて成し得た 新しいコミュニケーションの手段です。 このポットはセンサーの信号をPHS網でデーターをインターネットに運びますが、おじいちゃん、おばあちゃんは、このポットのセンサーの設定とか、ネットワークの設定を行うわけではありません。しかしこのポットは明らかにIT端末といえます。このポットがセンサーから信号を発信することと、メールやホームページを見る行為はシステム上同じ行為と言えます。しかし、ポットはおじいちゃんやおばあちゃんに何かの設定を要求しません。誰でも使えるIT端末です。これが次に来るといわれているユビキタスネットワーク社会のひとつの事例と言えます。 「誰でも・いつでも・どこでも、ITを利用したコミュニケーションやサービスを受ける事が出来る。」それがユビキタスネットワーク社会です。 「いつでも」「どこでも」という点では着実にネットワーク社会は広がっています。「いつでも」は常時接続プロバイダーのサービスの普及で、殆どのインターネットユーザーは繋げっ放しの定額料金でインターネット接続サービスを受ける事が出来ます。 「どこでも」という点でもワイヤレスLANの普及やPHSや携帯電話経由のモバイルインターネットが普及し、多くのビジネスマンが新幹線や空港のロビーでパソコンを開いて、メールをチェックしているのを目にします。 しかし、インターネットの便利さを今日手に入れようと思ったら、少なくともパソコンと、パソコンを操作するための方法を知っている必要があります。「自分をコンピューターに合わせる」必要があります。ですからパソコンスクールやインターネット講習会なるものはお年寄りを含めて、大盛況のようです。ですから、「誰でも」という段階に達していません。人間がコンピューターに合わせるのではなく、コンピューターが人間に合わせる必要があります。この「誰でも」をクリアーすることで、ユビキタスネットワーク社会が到来する条件が揃う事になるわけです。 ユビキタスネットワーク社会こそが、日本のIT国家を語る上で必ず成し遂げなければならないものです。私は、e-Japan構想はインフラの拡大目標ばかりに気をとられ、肝心の「水道管の水」をどうするのか?という疑問を投げかけております。水こそが、IT国家戦略の中核であり、水は「アプリケーション」と「コミュニケーション」なのです。つまり、「アプリケーション」と「コミュニケーション」をどのようなルールで創造していくのか?その戦略が求められていると考えます。 マホウビンのサービス自体はアプリケーション(アプリケーションサービス)です。しかし、象印社はこのサービスを行うことで、新しいコミュニケーションを遠く離れた親子にもたらせました。現実の社会生活に変化をもたらせたわけです。現在のITは仮想社会をより大きくしたり、より便利にしたりする道具に過ぎません。インターネットでの取引やサービスがいくら発達しても、それは仮想空間での話です。真のITとは、現実社会の生活をどのように変えていくかの道具です。本当のIT国家戦略とは現実社会をITを使ってどのように進化させるのか? その進化とは人々の生活をより豊かにしなければならない。豊かとは物質的に豊かという意味だけではない。心が豊かにならなければわが国の国民は幸せにはなれない。にもかかわらず、現時点でのインターネット社会は人々の心を豊かにしているのか? 確かにそういう点もあるであろう。しかし結果としては、グローバルリズムという経済システムの変化の上での、e-コマースの発達や、仮想空間でのコミュニケーションの発達に過ぎず、人の心を豊かにさせているとは思えない。 くどいようであるが、わが国の国家IT戦略はインフラ拡大の段階は終わった。行政は、うまくルールの変更を行ったと思う。後は民間に任せればよい。わが国の国家IT戦略は次の段階に移行しなければならない。それは、「いかに国民の心を豊かにするIT国家を形成するか?」と、いうことである。
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