2002-09-30
燃料電池の開発を妨害してはならない

「新型燃料電池開発へ、経産省など2005年度実用化」の記事が日
経トップを飾る。燃料電池に関しては、
私の政策の一部に記してあるが、果たしてどこまで「開発さ
せてもらえるか」?

天然ガスから製造するジメチルエーテルを燃料にするということ
は「ガス」である。つまりガス会社はガスでなく電力にも進出で
きるということである。燃料電池の一般家庭への普及を目指すと
いうことは、電力会社の危機である。石油よりも調達の中東依存
度が低く、環境への負荷も小さい天然ガスの利用を促進するとい
うことは、ますます危機である。

原子力発電はCo2を出さない代わりに放射能を出す。しかし、
原子力発電は石油依存体質から日本が脱却するための途中経過措
置としては必要であったのだ。経過措置であるから、多少の核燃
料廃棄物についても目をつぶれるというもの。次に控えるは天然
ガスであったわけで、その次には燃料電池であったはずだ。太陽
光、風力は専門家に言わせると効率が悪く、各家庭での実用化に
は一番時間がかかるらしい。

ともかく、日本国内において今後は電力会社とガス会社との間で
熾烈なエネルギー覇権争いが展開されるであろう。そして、これ
にお節介なアメリカが加担する可能性も否定できない。現在の日
本の石油はほぼ100%を輸入に依存。石油は分布地域が偏っている
ため、輸入量の中で中東地域から9割弱(2000年度)を輸入して
おり、中長期的な安定供給確保の面で懸念がある。石油危機後は
一時依存度が減少した時があったらしいが、アジア地域の輸出余
力が減少したことから、最近では石油危機当時の依存度を超えて
いる。ということは、日本は石油輸出国にとっては大変なお得意
様になるのだ。お得意様だからといって、買う側が偉そうにはで
きない。買う側として売って頂かなくては国そのものが成り立た
ない。

京都議定書を踏みにじり、自国の石油埋蔵量から計算するとあと
9年少し、よって他国から買うのも馬鹿馬鹿しくなってか、中央
アジア、カスピ海へと手を伸ばし、石油埋蔵量世界第2位のイラ
クを悪者に仕立て上げ、21世紀の「ハルノート」を突きつけ、
攻撃を仕掛けようとするアメリカ。輸入の9割を中東に依存する
日本。その日本が独自のエネルギー革命を燃料電池を中心に成し
遂げることを彼らは許すだろうか?

電力利権、産業界、政界、官僚。彼らの動きをチェックするのは
他でもない、我々国民である。燃料電池の開発を妨害してはなら
ない。