2002-10-11
「母親」というものの天才的能力

忘れ物があり自宅へ一時帰った。家内と長男は寝室で昼寝。前日
まで風邪だった2歳11ヶ月の長女が居間の床で行き倒れのように寝
ている。というか、ぐったりしていた。ソファーに連れて行き毛
布をかけて玄関へ行こうとしたとき、大阪連合から携帯に電話。
メモを取りつつ用件が終わると、娘が虚ろな眼差しでこちらを見
ている。私の話し声で家内が起きてきた。「あかり、床で寝てた
よ」「あら珍しい」とその時、テーブルの下に長男の幼児用風邪
薬のビンが転がっているのを発見する。見ると量が減っているこ
とに家内が気づく。

どうも一本グイッとやったようだ。

小児科へ電話。ヒスタミンが入っているので、長女は意識朦朧。
即刻、胃洗浄をするとのこと。そう言えば私は小児科病院へ行く
のは初めてだった。すぐ診察室に入ると前の子供が診察を受けて
いる。やさしそうな顔をした先生だ。「ねぇ、目の前のあの緑色
の捕獲網みたいの、何に使うのかなぁ」と家内がつぶやいた瞬
間、私と家内は同じことを思い、頷き合った。

我々の予想どおり娘は診療台に乗せられ、その緑の捕獲網のよう
なものを掛けられ固定され、これから何が始まるのだろうといっ
た表情で不安げ。そして、始まった、、、、、、、。

児童心理学を勉強していたとき、親の能力についての文章を思い
出した。通常断片的で何の一貫性、繋がりのないものを、特に母
親は子供の環境変化において、敏感にまで線に置き換えることが
できる「発見」を無意識に貪欲に行い、危機管理能力を発揮する
という。

今回も床で寝てしまうのは珍しいという変化、次にテーブルの陰
に隠れ普通では探すことができない幼児用風邪薬の「ビンを見つ
けたこと」、見ると減っている。つまりなんら一貫性のない点の
状況を無理やりにでも線で結べるようにモノを発見する母親の能
力。私の忘れ物も「能力」だったのか?これこそ親のなせる業な
のかもしれない。

こうして子供は親の超常的な能力に育てられるわけで、我々も親
に育てられてきたのである。命の繋がり、血の繋がり、家族とい
うものは、自然が生み出した超常現象である。

確かに「自分の子供だから」、かもしれない。

蛇足だが、よく女房が背広から浮気の証拠を発見しばれるという
話を聞くが、それも同じ能力だと私は確信している。