2002-10-20
民間企業の農地保有に反対する方々へ

「あなたは東北の人間は農業をやってればいいと仰るのか?」と
は、直前まで住んでいた福島県で私が浴びせられた発言。サラリ
ーマンとして赴任していたので、飲み屋で少々激論になった。私
が政治家志望だとは相手もわかっていなかったと思う。

日本の風土は肥沃で外国が羨むほどだった。長崎でシーボルトが
絶賛した日本の土壌を日本政府は減反と言う名の妙な保護政策
で、駄目にしてしまった。福島県栃木県に住んだことがあるが、
米、野菜をこれほど美味しく頂いたことはなかった。しかし、土
地の問題、悩みとして、後継者がいない兼業農家がほとんど。
「ジッちゃんが亡くなればうちの畑も終わりだなっ」と何度聞か
されたことか。発言の主は東京まで新幹線通勤をしている有様。
東北の土が泣いている。

食料自給率を28%を切った今だからこそ、東北地方では農業を頑
張っていただきたいと発言したことであるが、もはや彼らには農
業従事者としての誇りの欠片もない様に見えた。

しかし、一方では構造改革特区に反対する彼ら。経済財政諮問会
議が「構想例」として示した民間企業の農地保有を解禁する案に
農林族議員が「農耕社会に営利企業はふさわしくない」と撤回を
迫るなど、政府案を自民党族議員が押し戻す場面が相次ぐ。その
背後には、競争原理が始動すると、急に焦りだす保護政策に甘や
かされてきた方々のわがままが見え隠れするのである。

私の数年来の友人、長野県の寺島慶次氏は農業に誇りを持ってい
る。「別に食料の輸入が止められても困るのは都会の人間だけだ
でねっ。土ってのは、いつも可愛がっていないと言うことはきか
ん。2年放りっぱなしにしたら元に戻すのに4年はかかる。手が
かかるからといって楽しちゃいけないねぇ。ただ、もう遅いかも
しれないねぇ。農業は国益にかかわるからねぇ。」

特区に反対し、外国からの安い食材に勝てると言うのか。勝てる
ならそれは素晴しいことである。しかし、勝てないのなら、国益
のために、今こそ競争の原理を農業政策に導入すべきなのではな
いか。

あらゆる産業は、その「シワ寄せ」を取り除くため、幾らかの傷
を負いつつ再興の道を歩まねばならないと言うことを認識すべき
時代になってしまったと思う。・・・残念なことではあるが、現
実は避けて通れない。