2002-11-04
日本を救えるのは「みのもんた」・・・・・・大前研一・談

「アングロサクソンになれる人が成功する」というムカつく著作
があった。しかし、読んで見ると今の日本人にこそ読まれるべき
ものだと思い、感想メールを送り、何度も情報交換をさせていた
だいたのは、糸瀬茂氏。ソロモンブラザースの東京ディレクタ
ー、長銀総合研究所を経て、宮城大学の助教授になる。いわば経
歴的には「あいつ等」の側だが、日本人として、今日の金融経済
に警鐘を鳴らしてきた方である。残念ながら昨年ガンでお亡くな
りになられた。

そのご縁あってか、先週末糸瀬氏と木村剛氏が2000年に記したレ
ポートを読む機会に恵まれた。私はそのレポートを読んでやは
り、竹中案を条件付で支持することに確信を持てた。世間ではハ
ードランディングと称してはいるけれども、ハードでもなんでも
なく、当たり前の規則に則ってやろうという事だけと確信。それ
をして、ハードというならば、それは甘えだ。2000年の時点で、
今日の日本経済をピタリと当てていた。その原因が金融機関、政
府のモラルハザードとなることを心配していた、と同時にその結
果外資に食われるであろうことも予測。そうならないように、社
会的な不景気や、失業を恐れる以上に、モラルなき金融経済を恐
れよと記してある。

あの「武村判断」を繰り返してしまった今回の抵抗勢力の攻勢。
我々は今回の事件を心にとどめておく必要がありそうだ。

さて、景気、景気というけれど、景気が良くなれば我国の経済は
立ち直るのであろうか?私は明確にNoと言おう。よく考えていた
だきたい。日本にはどんな借金があるのかということを。特殊法
人の債務が100兆円、公的年金債務が800兆円、国債の残高が700兆
円とざっと1600兆円の債務がある。個人資産1400兆円とは言うけ
れど、株価が下がる前から、1400兆を言い続けているわけで、こ
の数字が変わらないのはおかしい。実際は、500兆しかないのだろ
うとさえ言われている。そして、日本が最も景気に沸いた時、つ
まりバブルをピークとしたとき、日本の税収はいくらだったかを
ご存知だろうか。62兆円である。あのときですら、税収は62兆
円。この状態で景気策を講じたところで、財政が正常化するはず
がない。小学生にでもわかる算数である。

加えて言うならば、就業人口は現在8000万人、2050年にはなん
と、5000万人に激減する。年間60万人ずつ減っていく(高齢者が増
える)のだ。今更「子供を増やそう」といったところで、子供は育
つのには15年はかかる。ナショナリストの私ですら、移民政策を
真剣に考えざるを得ないという結論に達している今日この頃であ
る。

ライフスペース事件というのがあったが、高橋弘二被告が死体を
前に「治療しているのだ」と同じこと。もはや金融財政は破綻し
ていると私などが叫んだところで、悔しいかな誰も聞いてはくれ
ない。通常、家計が苦しかったならば、節約するのが当然ではな
かろうか。ただ、節約程度なら良いが、破綻し路頭に迷う人々も
出てくるであろう、しかし、もうどうしようもない。「治療して
います」といったところで、どうしようもない状態にあるのであ
る。

大病の治療は命すら危険に晒す、痛い、苦しい、逃げ出したい。
しかし、今治療せず何時治療する。毎度も同じことの繰り返しで
申し訳ないが、本当にこの現状が皆さんに届いているのかどうか
不安になる。街頭演説でも訴えているのだが、わたしは無名の候
補予定者。本気にしていただけない。この発言は政治家としては
致命傷になる場合がある。だからどの政治家も本当のことを告げ
ずに減税だ、デフレ対策だと夢のある話ばかりをする。だが私は
言い続けたい。

駄目なものは、駄目だと誰か早く言って貰えないだろうか。泥沼
から這い上がる環境こそ、明日の日本にとって最も必要な治療で
はないだろうか。

なんてことを考えていたら、一昨日、大前研一塾長が同じことを
言い始めた。「俺が言ったって、誰も聞きゃぁしねぇんだよ。久
米宏か筑紫哲也が言えばいいんだろうなっ」と言うから、同期の
吉田氏と「いや、みのもんたの方がいいよ
なぁ」と呟くと、「そ
うか、みのに言わせりゃぁ、いいんだなっ、簡単なことだ。」と
のたまう。あの大前をして「知名度のある人間に言わせないと本
当にまずい」のだそうだ。あぁ、知名度がほしい。

今日「大前研一」よりも「みのもんた」のほうが政治的影響力が
あるのである。