2003-01-06
福祉政策で消費低迷から脱却する

大阪新年互例会に出席させていただいた。特に、財界からの出席
者は層々たるメンバー。サラリーマン時代には直で名刺交換など
とてもできる人ではない方ばかり。マスコミも多数来ていたが、
今回はニュースステーションのようなわけにはいかない。3,000人
の中で人を探すのは至難の技。連合大阪の政治局長を独り占め
し、ピッタリ張り付き、紹介していただく。これは、サラリーマ
ン時代の経験が役に立った。地元でもこれくらいの執念を持って
やらなければならない。今日から16日までお陰さまで会合続きで
ある。

さて、「長尾たかしと福祉」という取り合わせが今まで何故かな
かった。保険会社に勤務していたためか、商売道具にしか考えて
いなかったことを自戒する。ここ数日、景気回復と福祉が密接な
問題だということを学んだ。

そもそも景気低迷の最大原因は、人々が物を買わないこと。消費
の低迷は1400兆円という個人金融資産の存在がその証拠。付け加
えれば、「きんさん、ぎんさん」が、老後の為に100歳を超えてか
らも貯金をしていたという驚くべき事実。日銀がお札を刷り捲く
っていても、タンスや貸し金庫に膨大な預貯金が眠っている。こ
れで、日本経済が正常であるはずがない。

欲しいものがないのか、不安なのか。これは明らかに不安なので
ある。だから消費が伸びない。若者は、お金がなくったって、借
金してでもブランド物を買っている。注目すべきは問題は富裕高
齢者層の心理である。

私の母は今年6月81歳になるが、おそらく、多分、しこたま貯めて
いる。年金の4割は貯金して「老後に備える」と豪語している。81
歳が老後を準備する、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
今が、老後だろっ。実は10年ほど前、亡き夫と有料老人ホームを
考えたが、入居金8000万円、月々36万円、これなら即日入居可
能。しかし、サラリーマンにそれだけお金があるはずもなく、不
可能。で、公営を尋ねたら、19年待ってくれといわれたらしい。
笑い話にもならない。これを機にいざと言うときの介護対応、家
政婦さん、身辺の問題を不安に思い、今まで続けていた夫婦年に3
回の大旅行を打ち止めにし、貯蓄に余念がなくなったのだと、馬
鹿息子は推測している。

急速な高齢化や病院からの早期退院により地域に要介護高齢者の
居場所が大幅に不足している。つまり、「老後に寝たきりや痴呆
症になったとき、病気になった時に不安」即ち「介護不安」。消
費低迷の原因がそれならば、その不安を取り除いてやればよい。
手元にお金がなくとも文化的最低限度の生活を国が保障すると明
確に国民に打ち出し、それが現実に浸透すれば、今欲しい物に消
費しようとなる筈である。

母は埼玉生まれの埼玉育ち。東京に移り住んで50年。今一人暮ら
しであるが、一人暮らしでも東京が良いと言う。これは高齢者の
心理である。また、大規模な施設に入りたくないというのも、高
齢者の心理。仮に大規模だとしても、10人から15人規模に分かれ
ているユニット型、グループホーム型が望まれる。

実は、これら自民党の大好きな公共事業ではないか。しかし、自
民党にとっての公共事業は、票田とも言うべき土建屋であって、
介護福祉業者ではない。介護サービスなどは緊急度の最も高い公
共事業であり、従来型の大型の建設公共事業よりも、介護サービ
スの充実のほうが、同額の財源で、約2倍の雇用創出効果があると
いう分析もある。

このラインに、政・官・業の癒着を排除する必要がある。福祉を
食い物にすることと、福祉で消費に目を向けさせることは全く違
う。

以前、世代間の利害調整について記したが、少々その意見に修正
が必要であるとも思っている。高齢者から資金を吸い上げたり、
年金年額を引き下げたり、医療費をアップさせたりすればするほ
ど、老後不安は募るばかり。財政は悪化し、消費低迷、税収不足
へと展開されてしまう。

景気回復対策は、ものづくりだけではないと軌道修正。今まで、
福祉について勉強不足であったことを悔いる昨今である。