2003-06-05
イスラエル、パレスチナの平和共存宣言の背景を掘り下げる

旧約聖書つまりユダヤ教を信じる人たちをユダヤ人と称してい
る。彼らは、国を持たぬ流浪の民族であった。問題の発端は旧約
聖書にまで遡る。ユダヤ人の先祖アブラハムにヤハウェ神がパレ
スチナ地方はユダヤ人に与えると約束したとある。ユダヤ人はこ
れを信じている。その後、エジプトに移住していた人ユダヤ人は
モーセに導かれパレスチナにイスラエル王国を建国したのだっ
た。しかし、ローマ帝国の支配によりパレスチナを追い出され、
以後 2000年間の永きに渡り、ユダヤ人は世界各国をさまようこと
になる。

少数民族である彼らは特にヨーロッパでは迫害の対象となる。

そこで、多くのユダヤ人はアメリカに新天地を求めた。彼らはア
メリカで大成功し、今も多くの発言力を持っている。その力を背
景に、1930年代になるとパレスチナに代えるユダヤ人が増え
てくる。これに対し、パレスチナに住んでいたアラブ人が猛反発
し、武装解除が起きた。当時パレスチナはイギリスの信託統治下
にあり、たび重なるユダヤ人とアラブ人の争いにイギリスは統治
能力を失い、 1947年に同地から撤退した。その代わりに、イギリ
スの政界、金融界に影響力を持つユダヤ人ロスチャイルドがパレ
スチナに新欧州的ユダヤ人国家を建設すると宣言する。 イギリス
は、この管理を国連に委ね、パレスチナをユダヤ国家とアラブ国
家に分割し、首都エルサレムとその周辺を国際管理下におくとい
う決議を採択した。ユダヤ人国家であるイスラエルは1948年
に独立を宣言。ユダヤ人はようやく2000年ぶりに国家を手に
入れたのである。 

イギリス、国連の目当ては当然石油利権である。 

しかし、2000年間喧嘩をした者同士、簡単に仲直りはできな
い。イスラエルとアラブの間には4回にわたる戦争が起きた。い
わゆる中東戦争である。イスラエルが占領した地域のパレスチナ
のアラブ人は難民となった。今まで自分達が住んでいたところを
今度はイスラエルに追い出されてしまったのである。その中に後
のPLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長がいた。そしてPLO
議長に就任後1988年にパレスチナは独立を宣言した。

1990年代にはいり、一方のイスラエルのラビン首相はPLOアラ
ファト議長と交渉し和平が実現。しかし、1995年にラビンは
和平を望まぬ闇の力によって暗殺されてしまう。後任のネタニヤ
フ首相はPLOとの交渉を中断し和平は後退。そして、バラク首相就
任により、再び和平交渉が再開される。その和平交渉をセッティ
ングしたのはほかならぬ、クリントン率いる世界のお節介野郎ア
メリカである。

アメリカもこの地における石油利権を見逃さなかった。

イスラエルとPLOの和平、それを後押しするアメリカに対し、納得
がいかないのがテロ集団「イスラム原理主義組織」である。彼ら
はPLOを認めず、徹底した反イスラエル、反アメリカという、全く
違ったパレスチナ解放運動を目指し、和平を滞らせている。

この結果、イスラエルVS パレスチナの対立。アメリカVS パレ
スチナの構図も生んでしまった。というのは、イスラエルの背後
にはアメリカの絶大な支援が存在する。アメリカが発言力を持っ
たユダヤ人の影響で軍事大国アメリカは常にイスラエルの肩を持
ってきた。

このアメリカで活躍するユダヤ系アメリカ人には、あの、ルービ
ン、サマーズ、オルブライトがあげられる。クリントン政権はユ
ダヤ系アメリカ人で固められていた。 くどいが、アメリカの本音
は石油利権である。

さて、ユダヤの後ろ盾であったイギリスや国連が勝手に引いた国
境線は無効だとして、イラクがクウェートに侵攻した。アメリカ
はクウェートの石油利権を死守したいためにイラクを徹底攻撃し
た。これが湾岸戦争である。その後もアメリカは空爆というなの
奇襲攻撃を続け、国際的に何の非難も浴びずに今日にいたってい
る。

そして、遂に1998年8月7日、アフリカのケニアとタンザニ
アで、アメリカ大使館が同時に爆弾テロを受けた。その首謀者と
されるのが、オサマ・ビン・ラディンである。サウジアラビア出
身の大富豪で、各国のイスラム原理主義組織を援助し、絶大な信
望を集めている。

彼は活動の動機を「イスラム教徒としての使命感」と「祖国を踏
みにじる異教徒とアメリカへの怒り」と述べている。イスラム教
徒には信者としていくつかの義務がある。そのうちの一つが「聖
戦」(ジハード)である。イスラム原理主義者達にとって、テロと
はジハードなのである。イスラム教に則った理想社会を築くため
に、邪魔をする腐敗した支配者や異教徒は排除すべき対象であ
り、テロ行為は信仰によって正当化されているのである。 各国の
イスラム原理主義に共通する、反ユダヤ、反イスラエル、反 
PLO、反アメリカという精神構造を支え、絶大な影響力をもつオサ
マ・ビン・ラディン。

今回のテロは彼らのジハードなのである。だから、自爆してても
テロ行為を行う。アメリカは驕っていた。イスラムを刺激し過ぎ
た。自業自得というところか。イスラム原理主義者のアメリカに
対する憎悪と挑戦。

そして、9.11となり、第二次湾岸戦争へと続いた。

今回の2国家平和共存宣言が行われたことで、アメリカの中東に対
する発言権がさらに強大になったことになる。しかし、入植者
「屈辱的会談」とシャロン首相に反発しており、そう簡単にはい
かない。

2000年以上も諍い合っている両国。チョッとやそっとでは和平は
困難であろう。