2004-03-02
司法的弱者の逆転現象

明治生命勤務時代、職場に松本サリン事件で被害者の一人となっ
たM氏が名古屋に転勤してきた。松本家族寮で寮長をしていたのだ
が、犠牲者達を病院へ搬送する手伝いを完了した後、消防士に何
か書類を見せられ、暗くてよく見えないので、もっとあかりを照
らして欲しいと告げたところ、こんなに明るいところなのに見え
ないのかと言われたそうだ。自分も知らずにサリン中毒になって
しまったようで、即刻入院。あの地獄絵は忘れられない、子供さ
んは暗いところで寝られなくなってしまったと仰っていた。昼間
の明るいところは結構目が辛そうにしていたことが思い出され
る。私が退職する時にはわざわざ激励メールを下さったが、それ
から連絡を取っていない。

オウム裁判と遺族たちというコラムを記し
たが、関連して今朝の産経新聞に佐々淳行氏が記したコラムが興
味深い。

あれだけ死刑廃止を論じていた人権派弁護士等、市民団体等が極
悪非道な麻原への死刑判決によりオウムへの怒りが爆発した国民
世論にたじろぎ、疚しい沈黙を守っている。

なんと、国選弁護人としてもらうものはもらっておき、死刑判決
の30分後には直ちに控訴手続きを取り、12名の弁護人は全員辞職
したというのだ。「次の順番」を待っていた人でも居るのだろう
かと疑いたくなる。

被告人には国選弁護人がつき、被害者にはつかない刑事訴訟法。
佐々氏が指摘するように、かつては被告人が司法的弱者であった
時代もあろうが、今は加害者過保護で被害者が司法弱者になる逆
転現象が起きている。

M氏に麻原死刑判決をどう思われるか連絡をしようと思ったが、
どうもその気になれない。被害者の保障すら決定されない現在の
司法のあり方に疑問を抱かざるを得ない。

まぁ、最近では「弱者の恫喝」という言葉もあるにはある
が、、、この件には触れるまい。