2006-05-01
他者からの恩恵に感謝する心

人間は一人では生きて行けない。人様に助けられ、自分も
人様の役に立てて世の中は成り立っている。食事はその最
たるものである。私達は命を頂いて生きている。命を頂く
から「いただきます」と、手を合わせるのである。

この世に生を受けた命を頂く。鳥や牛をさばく人がいる。
市場へ運ぶ人がいる。仲買人がいる。商いを計算する人が
いる。調理する人がいる。料理を宣伝する人がいる。小売
りをする人がいる。袋を作る人がいる。フライパンを作る
人がいる。ガスをおくる人がいる。食器を作る人がいる。

石油を採る人がいる。運ぶ人がいる。運ぶ船を造る人がい
る。石油から化繊にする機械を操作する人がいる。服のデ
ザインをする人がいる。商品を包装する人がいる。お店ま
で運ぶ人がいる。商品を並べる人がいる。商品を売るため
の広告をつくる人がいる。

皆必要な人たちばかりである。誰として不必要ではないの
である。

私は日本人の特徴は「謙虚さ」であると思っている。謙虚
な態度や感謝の気持ちを持つことで、日本人は人間関係を
成してきたのだ。世の中は自分の力ではどうしようもない
もこと、例えば生まれた環境(特に両親)であるとか、職業
や地域のこと。自分に与えられた環境に感謝をし、運命や
宿命を受け入れ、つつましく生きることの大切さを感じる
ことが日本人の特徴である。そして、これが道徳教育の真
髄である。

しかし、人間は勝手である。与えられた仕事、役に立って
いる仕事を、他人の仕事と比較してみたくなるのだ。「何
で俺がこんな仕事をしなきゃいけないんだ」と、卑下した
りする。そこに妙な弱者と強者という構造を持ち込みたく
なる。問題のすり替えである。

誤解を恐れずに記せば、この「謙譲の心」、「宿命を受け
入れること」これが日本人に最も不足していると思ってい
る。断じて、悪い意味での格差社会や、差別を受け入れろ
などという暴論を展開しているのではない。他者か
らの恩恵に感謝する心を取り戻したいと言っている
のである。自分という人間がどれだけのお陰様を以って成
り立っているかを考えれば、もっと人にもやさしく出来る
のではないだろうか。

「生きがいと
は」「凡人の誇り」
「人間の宿命」