2007-10-15
希薄なコミュニケーションを強いられるインターネット社会

昨日の市民スポーツ祭、ある会場で「あっ、長尾たかしさ
んだっ」と女子高校生から声を掛けられた。ご家族と会場
に来ていたらしく、また父親が長尾たかしのファンで父親
を驚かせたいからと、ご家族のが陣取る観戦席まで同行す
る。一頻りご挨拶を済ませるや、政局談義となり暫くご意
見を頂く。娘さんが次の競技に参加するというので席をは
ずす。すると、子供達の携帯メールの話となる。

「長尾さん、゛即レス゛って言葉知ってます?」
「携帯メールの゛即返事する゛ですよね」

子供の世界ではこの即レスの掟を破ると大変な虐めの対象
になる確立が高いらしい。

一日20人位のメル友からメールが来ると、即レスする。相
手も即レス。結局そんな対象が20人いれば、ひっきりなし
に携帯メールを打っていなくてはならなくなる。絵文字の
数が少ないと゛キレテルの?゛とか、いろいろと伝わり方
のニュアンスが違うようで、断片的な単語の羅列、少なく
とも文章ではないものの、返信にはそれなりに気を使うよ
うだ。で、そのメル友というのが、本当に友達といえる対
象ばかりなのかといえば、どうもそうでもないらしい。子
供の世界は大人の想像を超えて異次元空間化しているよう
だ。

メル友とは「友達」なのだろうか。人と面と向かって会話
することを嫌い、メールという本来「ツール」として世に
出現した技術の利用方法を誤り、相手の顔を見て気持ちを
汲み取ったり、自分の意思を伝えたりすることなく、希薄
なコミュニケーションが主体的になる。相手が「ウザク」
なれば、付き合わなければそれでいい。どうせ顔も名前も
あまり知らない人たちばかりだから、、、。心の通った友
達づきあいは、メールのみで完成されることはない。

「うちの娘は゛即レス゛が遅いといわれて虐めにあったこ
とがあるんです。今は携帯メールなんか大っ嫌いというん
ですが、常識ツールを使わずに友達づきあいが出来るとは
思わない。文明の矛盾ですかねぇ。インターネット社会、
政治が良い規制をかけてくれてももう遅いんですかねぇ」
と、遠くで娘の綱引きを見ながらつぶやく父親。

返す言葉が見つからなかった。インターネット社会にあっ
て、メールというツールと付き合わないわけにはいかな
い。そもそもコミュニケーションを円滑にするために開発
された技術によって、「希薄なコミュニケーション」を強
いられるとは誰も予想しなかっただろう。