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| 2008-02-04 |
| 中国食料品問題は、価格競争の利益構造にあり |
中国の冷凍食品から高濃度の農薬が検出され大変な社会不 安となっている。原因がはっきりとしない以上、中国に今 物申すことはないが、゛意図的なものはない゛とする記者 会見は非常に不自然であるし、対応がかつてないほど素早 いことも不自然、っと思うのは私だけだろうか? この問題でやたらと、食料自給率をあげなければならない という議論がなされているがそれでこの問題が解決される だろうか? 食料自給率を上げることは大切である。しかし、ことこの 問題の本質は食料自給率の低さが問題なのではなく、より 安い物を求める価格競争に原因がある。その手段として中 国の安い労働力に白羽の矢が当たったのだ。価格競争の利 益構造をただしていかなければならない。 以前私は格差の原因としてこれを挙げた。同じ構図が見て 取れるのである。中国に物申すことは大切である一方、我 が身も振り返ること。品質の確保よりも価格競争が主眼で ある以上、日本企業の強みが発揮されることはないと思 う。 師匠である大前研一氏が記した「新・資本論」の中に繰り 返し出てくる言葉に、「ボーダレス経済の空間」「サイバ ー経済の空間」という言葉がある。日本が陥った罠の種類 の一部である。特に労働力日本企業の多くは、労働力の安 い海外に依存し、労働の空洞化を起こしてしまった。労働 力の流出である。場合によっては、技術すら流出してしま っている。同時に、安ければ物は売れるというメイドイン ジャパンのプライドを捨てた企業展開が、日本の技術大国 としての競争力をますます低下させてしまっている。そし て、インターネットという労働力を限りなくゼロに近づけ るツールが、「サイバー経済の空間」となって、拍車をか ける。負け組みとは、この構図では、戦えない者達、はみ 出してしまったものたちと理解できる。「格差社会の原 因」は「実態経済のボーダレス化とサイバー経済の到来」 であると私は考えている。 「実態経済のボーダレス化とサイバー経済」の到来を予測 できなかったのだ。日本はこれらを一刻も早く予測し、そ れに対応すべきだった。そして、真っ先にこの直撃を受け たのは、金融機関であったのだ。 ただ、不幸にも世界第二位の経済大国日本には体力があっ た。だから、10年くらいは、資産の食潰しで、「なんとな く上手くいってしまった」のである。来るべき、実態経済 のボーダレス化とサイバー経済に対応できるよう、競争力 をつける必要があった。技術力をつける必要があったの だ。しかし、これをサボった。勝ち組と言われる企業の中 には、過去の資産を食潰してなんとか切り抜けている企業 も多くあると思う。いつ何時、負け組みになるかわからな いのだ。本当なら、市場から退場しなければならない「ゾ ンビ企業」がまだまだたくさんあるということである。 「なんとなく上手くいっていた」ところに、現実が降りか かってきた。これが今日の格差社会であると理解してい る。 小泉改革に責任を求めるならば、これらを国民に警告しな かったこと。実体経済のボーダレス化において、あまりに も労働力、技術力という、「日本の宝」、「家宝」を海外 に開放してしまったことである。 ボーダレス化に拍車をかけたものはインターネットである と記したが、ボーダレス化の原因は「冷戦の終結」である ことは言うまでもない。世界経済の構図が変わったのだ。 アメリカが何でも面倒を見てくれた時代から、アメリカが 日本を無視して中国を重要視することになった。市場も中 国重視、労働力も中国重視。日本はそれを黙って見ている しかなくなってしまったのだ。 いざなぎ景気以来と云われたはずの景気回復の歓迎すべき 波はどこに消えてしまったのか?大企業は下請け孫請けを 持っているが、この下請けたちが、日本企業ではなく、海 外の労働力であるから、利益が日本国内に流通しないの だ。 そんなことは、少し考えればすぐに分かる。政治家、企業 家達はこれ以上庶民を欺けない。そろそろ国民すべてが気 づき始めている。今回の食品問題を契機にいろいろなこと を考えてみようではないか。 |